武士の言葉の意味

時代劇や時代小説を読んでいると、意味は何となく分かるけど本当に正しいかどうか分からないという言葉やセリフが出て来ると思います。

知らなくてもどうにか話しが分かっても、何となくわかっているだけでは作品をすべて楽しむことは難しくなってきてしまうと思います。

今回は武士ならではの言葉に注目して紹介してきたいと思います。

目次

1.武士の決め台詞

1-1.大儀であるの意味

1-2.ちょこざいなの意味

1-3.ぜひもないの意味

1-4.ひらにの意味

1-5.片腹痛いの意味

1-6.これはしたりの意味

1-7.面妖なの意味

1-8.いかさまの意味

1-9.念には及ばないの意味

1-10.恐悦至極の意味

まとめ

1.武士の決め台詞

今回紹介して行くのは、武士がよく使っているイメージの強い言葉を紹介して行きます。

どの言葉も聞いたことのある言葉ですが、本当の意味が分かっている言葉はどれくらいあるでしょうか。

さっそく見ていきましょう。

1-1.大儀であるの意味

時代劇などではお話しの最後に偉い方から「大儀であった」と言われるシーンは想像できるかと思います。

歌舞伎にもなっている井原西鶴の「好色一代男」にも「大儀なれど百の餅船はととがするぞ」という一節があります。ここでは「費用がかかる」という意味で使われています。

多く使われる意味では「骨が折れる、めんどうだ」という意味だそうです。

このことから「大儀である」という意味は「ご苦労さん」という意味を持つようです。

この言葉は目上の者が目下の者にかける言葉だったようです。

1-2.ちょこざいなの意味

「ちょこざいな」というセリフは威勢よく言っている言葉のイメージがあります。

この「ちょこざいな」という言葉の意味は「なまいきな」という意味になります。

「ちょこざい」の意味を丁寧に解説をしていくと「さしでがましいこと、なまいきなこと」

という意味になります。

その為「ちょこざいな!」と言い放つとかなりきつい言い回しとなるようです。

ちなみに漢字で書くと「猪口才」と書いて「ちょこざい」と言います。猪口は盃の事を指し、そこに「才」という文字がついています。この事から、相手を罵倒する言葉ということが分かりますね。

1-3.ぜひもないの意味

この言葉の意味は簡単に分かるかもしれませんが、正しい意味をしっかりと確認していきましょう。

まずこれを漢字で書くと「是非無し」と書きます。「是非」は「善し悪しの判断」のこと、それに「無し」が付くため「どうにもならない、やむをえない」という意味になります。

1-4.ひらにの意味

時代劇だと一番聞く言葉かもしれません。

「ひらに、ご容赦を」や「ひらに、お願い申し上げます」や「ひらに、お聞き入れくださいますよう」等でよく出てきます。

この言葉の使い方から想像できるように意味は「何とぞ」という意味で使われる事が基本ですが、場合によっては「ひたすら、熱心に」や「無事に、容易に」という意味で使われる事もあるそうです。

1-5.片腹痛いの意味

この言葉は時代劇など関係なく使われる事がありますね。「片腹痛い」という言葉こそ馴染みはあれど、正しい意味が分からない言葉だと思います。

この言葉は意外と歴史が古く清少納言の「枕草子」にも「傍ら痛きもの」と表記があります。

片腹痛いの大元は「傍ら痛い」で意味は「おかしくて片方の腹が痛い」の意味を持っています。

「傍ら痛い」の意味は「はたで見ていても苦々しい、みっともない」という意味がありました。中世以降に「おかしくて片方の腹が痛い」という意味に転化して現在の「片腹痛い」の表記と使われ方がされるようになりました。

1-6.これはしたりの意味

「これはしたり」と言われてもこれだけでは意味は少し分かりにくいですね。

「したり顔」と言われると少し意味が分かってくるかもしれません。「したり顔」とは「知ったかぶったような・得意げな」という意味でとらえてしまう方も多いですが、これは実は誤用で「したり」を漢字で書くと「知たり」では無く「為たり」となるため意味は「何かを成し遂げて得意な顔」という意味になります。

しかし、これに「これは」が付くと意味が反対になり「しまった、やりそこなってしまった」という意味になります。また「驚いた」という意味で使われる事があるそうです。

1-7.面妖なの意味

時代劇に幽霊や妖怪が絡むとまず出て来る「面妖な」という言葉、現在でも聞くことは無くても意味は何となく分かるかと思います。意味は想像の通り「不思議な」という意味です。

語源を探っていくと元々は「名誉」という言葉になります。名誉が「めいよう」に変化し、そこから音が変化し「めんよう」となり、これに漢字を当て「面妖」という言葉が生まれました。

名誉という言葉の意味は「名高いこと、評判の高いこと」の意味のほかに「奇妙なこと、不思議なこと」の意味があったそうです。

1-8.いかさまの意味

これはあまり聞きなじみの無い言葉かもしれません「いかさま」と聞くと「不正やずるをする事」と想像する方が多いですが、武士がつかう「いかさま」はそのような意味ではありません。

「いかさま」の意味は「なるほど」という意味で武士は使用していました。「いかさま、その通りにござる」といった具合に使用するそうです。

また「いかさま」の他の意味では「どうみても、きっと」・「是非とも・なんとかして」という意味もあるそうです。

1-9.念には及ばないの意味

「念には及ばない」という言葉を丁寧に武士風の言い方をすると「御念に及ばず」になります。

「念」の意味を確認すると「注意をすること、気を付けること」の意味という事がわかります。この事から「念には及ばない」という言葉の意味は「確認するまでもない」という意味になります。

「念には及ばない」というワードは時代劇を見てみるとあらゆる場面で使用されています。時代劇を時代劇らしくするためにはこのような言葉使いも重要な役割をはたしているのでしょう。

1-10.恐悦至極の意味

時代劇などで感謝を表すときに「恐悦至極に存じ上げます」というセリフを聞いた事があるかと思います。簡単に意味を説明すると「とてもうれしく思います」という事になります。

侍が満足や喜びを表す言葉は他にもあります。

「重畳(じゅうじょう)」や「祝着(しゅうちゃく)」等があります。恐悦至極の「恐悦」も喜びを表す言葉です。

「祝着」は冠婚葬祭などの祝い事で使われるニュアンスが強く「祝着至極」と使うと祝いの気持ちを強調します。

「恐悦」は「恭悦」とも書き、恐れ多さと恭しさが込められているので、「恐悦至極」は目上の人や貴人にたいして喜びや満足を伝える時につかう言葉だそうです。

まとめ

今回は武士の言葉について見ていきました。

何となく意味は分かっているつもりでも、細かく見ていくと意味が全く違う言葉がいくつかありましたね。

現在では使う事が無くなってきた言葉達ですが、やはり時代劇を聞くと心地のよいリズムでカッコイイ時代劇を作るのには必要不可欠な言葉使いだと思います。

昔の言葉使いはどこか美しく今では無い情緒をかんじる事ができますね。時代劇をより楽しむ為に、言葉使いを勉強してみるのもいいかもしれませんね。