時代劇入門映画7選

サムライブに在籍している生徒さんは、役者のスキルとして殺陣を習いに来ている方もいらっしゃいますが、最近流行りの舞台や映画を見て殺陣を始めてみた生徒さんもかなりの数の生徒さんが在籍しています。

殺陣を始めていくとカッコイイ斬り役・立廻りの要である斬られ役どちらも稽古をしていくのですが、殺陣をやっていくと自分のイメージの中では限界が来て多くの生徒さんから見たら勉強になる時代劇は何ですかという質問を多く受けます。

具体的なイメージを持つことが重要なので昔の時代劇を見るのはとても大切ですが、一言で時代劇と言っても様々なジャンルがあるのでどれを見たら良いかが分からなく、観るのを挫折してしまう事が多いと思います。

今回は見やすい様々な種類の時代劇をコラムで紹介して行きたいと思います。

目次

1.七人の侍

2.東海道四谷怪談

3.薄桜記

4.用心棒

5.椿三十郎

6.座頭市物語

7.切腹

まとめ

1.七人の侍

最初に紹介するのは黒澤明監督の「七人の侍」です。

七人の侍をDVDで借りようとすると3時間超えの時間表記で中々見るのが億劫になってしまうと思いますが、実際に見てみると3時間の長さを感じない作品となっています。

前編と後編に分かれていますが、前編は7人の仲間集めが中心で後半は7人の侍と農民達が野武士との決戦と分かりやすく分かれています。

見る時にはDVDならば日本語字幕を付けてみるのをお勧めします。

物語自体はとても単純で農作物を荒らす野武士たちに困った農民達が、日々の食料を報酬に7人の侍達を集め、力を合わせ野武士と対決するというものです。

終盤の野武士との対決は雨の中での殺陣シーンで白黒映画とは思えない程の迫力で、リアルで激しい立ち廻りとなっていますので、一度は見ておくべき映画だと思います。

2.東海道四谷怪談

「四谷怪談」と言えば「お岩さん」とピンとくる人もいるかとおもいます。

殺陣のシーンは多くはないのですが、日本の古典的な会談の世界を感じるの事が出来る作品で時代劇に抵抗がある人でも、知っている話ですのでとても見やすい作品となっています。

簡単なあらすじですが、みなさんご存知の古典作品と同じです。

浪人の身である伊右衛門はお岩との結婚を反対された事で義父を殺害し、他の人間に犯行を押し付けお岩さんと結婚します。

その後お岩と生活をしていく伊右衛門ですが病気になったお岩さんが邪魔になり、毒殺をし戸板に乗せて沼に沈めるのだが、恨みに思ったお岩が化けて出てくる7・・・

というものになっております。話も分かりやすい、後半の狂気に憑りつかれた伊右衛門の姿等見所も沢山ある映画ですので、是非一度見てみることをお勧めします。

3.薄桜記

薄桜鬼というゲームや舞台やアニメをご存知の方は沢山いらっしゃると思います。

現にサムライブでも薄桜鬼の舞台を見て殺陣に興味を持って殺陣を始めた方も何名かいらっしゃります。

名前こそ似ていますが内容は殆ど関係は無い「薄桜記」という映画があります。

この映画は当時かなり話題を呼んだ映画です。当時のチャンバラスターであった市川雷蔵と勝新太郎が共演しており、大人気となった映画でした。

簡単な内容ですが、忠臣蔵の外伝的な内容で高田馬場の決闘をきっかけに話しが進んでいきます。高田馬場の決闘に向かう途中の勝新太郎演じる中山安兵衛にアドバイスを市川雷蔵演じる丹下典膳がする事で話が始まります。

安兵衛の戦う相手が同門であった為、典膳は破門されてしまい道場生にも恨みを買ってしまいます。その後同門であった道場生にいやがらせを受けていくが・・・

なんといっても最後の雪の中での大立廻りは間の使い方や演出など沢山の見どころがありますので是非殺陣を勉強したい方は必ず見た方が良い映画だと思います。

4.用心棒

「用心棒」は七人の侍と同じく「黒澤映画」の作品です。

黒澤映画の時代劇は現在の映画に影響を沢山与えているのでどの作品も見所がそれぞれにあります。

この用心棒の見どころは、後に「12人斬り」と言わることになるラストの三船敏郎の殺陣のシーンです。

1対12という人数は数だけ聞くと多く聞こえますが、人数だけではそこまで多くはありません。注目されているのはその速さと立廻りの構成です。

多くの時代劇の立廻りは敵の方から襲い掛かり、主人公はあまり動き回る事がありません。このような形をとって形式美を表現していたとされています。

しかしこのシーンでの立廻りは主人公が自ら動き、走り回りながら斬り倒すものになっています。とても速い立廻りで黒澤映画特有のリアルな殺陣が観れるので是非一度ご覧になる事をお勧めします。

5.椿三十郎

用心棒に続いて「黒澤映画」となりますが、この「椿三十郎」という映画は後の映画に大きな影響を与えた作品となっております。

「椿三十郎」は「用心棒」の翌年に続編的立ち位置で制作された作品です。

用心棒は全体的に暗い雰囲気で続いていく映画ですが、この椿三十郎は全体的にコミカルな雰囲気で見やすい作品となっています。

この椿三十郎の見どころは最後の三船敏郎と仲代達也の1対1の立廻りにあります。

この最後の殺陣は、しばらくの沈黙を経て、刀を抜く両者、お互いとてつもなく早い太刀筋の一手で立廻りの決着がつきます。

この立廻りでいままで使われていたことの無かった血糊が時代劇で初登場しました。

これがきっかけで多くの映画で血糊を使うようになりました。

椿三十郎の最後の立廻りは殺陣は手数では無いという事が明確に分かるシーンですので、一度見ておく事をお勧めします。

6.座頭市物語

時代劇に馴染みのある人が「座頭市」と言われれば「勝新太郎」と繋がるかと思いますが、今では様々な役者が市を演じています。この始まりが「座頭市物語」です。

座頭市の話はご存知かもしれませんが簡単に説明をしていきたいと思います。

市は盲目の按摩師だが、ドスを抜いたら誰にも負けない所謂「無敵のヒーロー」で、市が行く先々で出会った人とのドラマが展開されていくというものです。

座頭市と言えば仕込み杖での高速の居合での沢山の立廻りというイメージだと思いますが、シリーズの一作品目はまだこのパターンでは無く、1作品目では物語の後半まで殺陣は登場せず、しかも最初の殺陣では2人しか斬っていません。

その後はラストの決闘まで殺陣は無いという、従来の座頭市シリーズを見ると想像できないものとなっております。

しかし、殺陣の回数は重要では無く、物語で必要な所で殺陣が出てきており、殺陣がある事によって感情移入出来るようになっていますので一度は見てみることをお勧めします。

7.切腹

切腹という映画は他の時代劇ではあまり見ないメッセージ性が強い映画となっています。

映画のタイトルである「切腹」が事の発端となり話が回想と入り乱れて話が進みますが、内容は分かりやすく武士に対するアンチテーゼが含まれた作品となっています。

ストーリー自体もどんどんと敵方を追い詰めていく流れと緊張感の高まる殺陣もどちらも見応えのあるものになっています。

中でも名シーンである仲代達也と丹波哲郎の1対1の殺陣は竹光やジュラルミン刀ではなく、真剣を使ったシーンだそうです。

そのため緊張感があり、一瞬たりとも息を付けないシーンとなっています。

特徴的な仲代達也の刀の構えは戦国時代の鎧武者が行う八相の構えであり、丹波哲郎が使用する構えは現在の剣道の構えの原型になる江戸時代初期に完成された上段・中段の構えとなっており、構えなども勉強になる作品ですので一度は見てみることをおすすめします。

まとめ

今回は始めて見るのにどの時代劇を見たらいいのかという疑問に少しは参考になるようなコラムを目指し、制作しました。

ここで紹介した時代劇は、どれも後世に影響を遺した作品だらけですので変な苦手意識を持たずに見たら面白い作品となっていると思います。

これらの作品を観ると殺陣をやる上で技術ももちろんですが、演じている役に合った立ち方や所作、表情など剣を扱う以外の所をとても作り込んでいる事が分かると思います。

芝居の中にある殺陣ですが、多少の武術の要素も入ってくる為体現するのには時間がかかってしまうかもしれませんが、イメージが無いと始まらないので今回紹介した映画を一度は見て自分の引き出しを増やしてみるのはいかがでしょうか。