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江戸東京の観光名所の今と昔

歴史コラム

8月に入り、外に出ると外国人の観光客の方を見かける事が多くなりました。

日本に来る外国人観光客は年々増えており、2014年には訪日外国人観光客が1000万人を突破し、昨年2015年も増加傾向だったそうです。

外国人観光客に人気な観光地はお寺や神社、庭園などが上位を占めるそうです。

それだけでは無く、礼儀作法やお茶などの日本の伝統文化の体験も人気があり、日本という国の文化雰囲気に大変興味があるみたいです。

外国人観光客に人気の観光スポットですが、実は「江戸時代」では日本国内でも屈指の名所であり、大都会江戸の見物は多くの人の憧れだったようです。

今回のコラムでは、江戸の観光名所を現在と見比べてみたいと思います。

目次

  1. 桜や花火の隅田川
  2. 外国人観光客が多い浅草寺
  3. 東海道の起点日本橋
  4. 歴代の徳川将軍が眠る上野寛永寺
  5. 東京タワーと芝増上寺
  6. 藤棚が魅力の亀戸天神
  7. 赤穂浪士の墓がある泉岳寺

まとめ

1.桜や花火の隅田川

隅田川と言えば春は桜の花見、夏は花火大会と季節ごとのイベントで必ずピックアップされる観光名所ですね。

江戸時代でも春は花見、夏は花火、秋は紅葉、冬は雪見と一年を通して楽しめる観光名所だったそうです。

それだけでは無く、江戸時代の交通手段では船を使う事が盛んだったため隅田川は多くの船が行き交う賑やかな観光名所だったそうです。当時の版画を見てもその事が分かりますね。

隅田川の花火大会の歴史を少し見てみると、元々は1732年に発生した大飢饉とコレラの死者を弔うため、1733年7月9日の川開きに花火を催したのが始まりだったそうです。

2.外国人観光客が多い浅草寺

 

一年を通して賑わっている浅草ですが、その中で一番人気のあるスポットは浅草寺です。

今は仲見世通りでは着物や和装小物、食べ物のお店で賑わっていますが、江戸時代は見世物小屋や水茶屋が並んでいた、江戸屈指の歓楽街だったそうです。

江戸時代では「猿若町」と呼ばれ、歌舞伎を始めとした芝居小屋が一か所にまとめられた町でした。

今でも浅草6丁目を歩いてみると「猿若町」という地名は存在しませんが、石碑などが存在しています。

江戸時代の観光コースは浅草寺をお参りして、待乳山へ登り隅田川を一望し、船に乗って吉原へ行ったりしていたそうです。

3.東海道の起点日本橋

 

今では日本橋は日本銀行本店や東京証券取引所のある金融街であり、老舗の百貨店の多い商業地区ですが、江戸時代はどうだったのでしょうか。

江戸時代も東海道の起点であり江戸の起点でした。当時の日本橋の長さは28間(50.9m)で今よりも少し長い木造の橋でした。当時の日本橋の実物大が、両国にある東京江戸博物館にあります。

江戸時代には呉服屋の「越後屋」があり、江戸随一の商業地区でした。

今でも江戸時代の賑わいを感じる事が出来るのが日本橋地区で行われる「江戸三大祭り」です。

江戸三大祭りとは「神田祭」「山王祭」「深川祭」の3つのお祭りを指し、現在でも大規模のお祭りで賑わいを見せています。

4.歴代の徳川将軍が眠る上野寛永寺

 

現在上野はアメ横や上野動物園、上野公園などが外国人・日本人問わず人気の観光スポットです。

上野の観光地とされる場所はほとんどが上野公園内か付近に密集していますが、江戸時代では寛永寺は36万坪の広さがありました。

今と同じように、桜の行楽地でしたが徳川家の菩提寺であった為に徹底された管理がされており、静かに鑑賞するのみで夕方には門が閉められていたそうです。

不忍池は現在よりもずっと大きく花だけではなく、食用のハスの産地としても有名でした。

 

5.東京タワーと芝増上寺

 

都内にある有名なタワーと言えば、東京スカイツリーと東京タワーですね。

日本人からしてみると、東京タワーよりも東京スカイツリーの方が新しさもあり、商業施設も兼ね合わせているので人気がありますが、外国人観光客はスカイツリーよりも東京タワーの方に訪れる方が多いそうです。外国人にとって、東京タワーのデザインに魅力を感じるようです。

東京タワーの近くにある増上寺も大きい門が印象的で外国人に人気の観光スポットです。

江戸時代では増上寺が人気の観光名所でした。増上寺も寛永寺と同じく徳川家の菩提寺で、広さは24万坪もありました。お寺に人気があっただけではなく、今の愛宕神社がある愛宕山の急階段を登り江戸市内と江戸湾が360度見渡せる絶景を楽しんでいたそうです。

愛宕山は桜の名所とされ庶民の遊興地としても賑わっていました。そこには絵草紙屋(絵本や絵などの物販売)などの江戸のお土産屋などもあったそうです。

 

6.藤棚が魅力の亀戸天神

 

4月から5月にかけて藤の花が一斉に咲き乱れる観光名所であり、学問の神様である藤原道真を祀っている亀戸天神を紹介して行きます。
江戸時代も現在と同じように藤や梅、萩の花の名所で有名でした。それだけはなく、付近には梅屋敷や龍眼寺があり、庶民に人気のハイキングコースでした。

歌川広重の「江戸名所百景・亀戸天神」という梅の木を描いた錦絵は、ゴッホが模写をした事でも有名ですね。

そもそも亀戸天神は明暦の大火による被害からの復興事業の地として、徳川家綱から土地を貰い、太宰府天満宮を倣して造営された神社でした。当時は「東宰府天満宮」「亀戸宰府天満宮」と呼ばれており、「亀戸天神」が正式名称になったのは1936年になってからで、とても最近の出来事なのです。

7.赤穂浪士の墓がある泉岳寺 今は無き桜の名所御殿山

日本国内では歌舞伎や映画や落語、ほとんどの娯楽媒体で題材にされている「赤穂事件・忠臣蔵」ですが、海外でも「47RONIN」で映画化されており、赤穂浪士は国内外問わず人気があります。

その赤穂浪士のお墓や資料館のある泉岳寺は外国人から人気のある観光スポットです。

泉岳寺のある品川・高輪一帯は江戸時代では茶屋が並び、海の美しい場所で東海道を旅する人をここまで見送りに来ていました。

御殿山は徳川吉宗が桜を植え、大きく育ち江戸で一番の桜の名所になっていました。

しかし幕末頃に外国の公使館を立てるために全て伐採をしてしまい、現在はビル街になってしまい見る影もありません。

まとめ

今回は外国人に人気のある観光スポットの今と昔を見ていきました。

日本橋や高輪などは、昔の様子を感じるのには近代的に発展してしまい難しいですが、お寺や神社などでは当時の雰囲気を感じる事ができ、風情があるから外国人観光客からも人気があるのではないでしょうか。

今の私達は、過去の歴史の積み重ねの上で生活をしているので、当たり前かもしれませんが、江戸時代に歓楽街で賑わっていた所は現在も歓楽街として賑わっており、経済の中心だった所や由緒あるお寺などは大きさや見た目が変化しても、当時の役割を現在でも果たしており時代のロマンを感じることができますね。

今と昔を比べながら都内を観光してみるのも夏の思い出作りとしていいものかもしれませんね。

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