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竹光の箔の貼り方

時代劇の知識・所作

皆さん「竹光」という模造刀はご存知でしょうか。
竹光とは演劇等で使われる、樫の木で刀身が作られている模造刀の事です。舞台などで使われている模造刀のほとんどが竹光です。この竹光は樫の木の刀身にアルミの箔が貼ってあり、遠目から見ると本物の刀のように見えるのです。

竹光を買いしばらく使用していると、アルミの箔が剥がれてきてしまい徐々にボロボロになってきてしまいます。そうすると刀の形はしていますが、舞台などでは使用できなくなってしまいます。修繕は個人では出来ないと思っている方もいるかと思いますが、実はそこまで難しくはなく、誰でも出来る簡単な方法がいくつかあります。

そこで今回は竹光の箔の修繕方法を紹介していきたいと思います。

目次

1.竹光の箔の修繕方法
1-1.銀のスプレーを使用する。
1-2.銀色のテープを使用する。
1-3.アルミホイルを使用する。

2.アルミホイルを使用した修繕方法
2-1.準備するもの
2-2.目釘を抜く
2-3.ボロボロになったアルミ箔を剥がす
2-4.竹光の刀身にアルミホイルを張る
2-5.反対側のアルミホイルの張り方
2-6.刀を組み立てる

1.竹光の箔の修繕方法

竹光の刀身は樫の木で作られている為、アルミの箔が剥がれてしまうと、本物の刀の用には見えなくなってしまいます。
そこで修繕方法にはいくつかあり、簡単な物から竹光にダメージが残らないものなどを紹介して行きたいと思います。

1-1.銀のスプレーを使用する。

まずは、一番早くて楽な方法から紹介します。
ホームセンター等で売っている銀のスプレーを刀身に直接塗る方法です。
刀身のリアルさには欠けますが、一度塗れば箔ではないので剥がれることはありません。
しかし一度塗ってしまうと、新たに箔を貼る事が難しくなってしまいますのでこの方法を試す場合はある程度覚悟をして行いましょう。

1-2.銀色のテープを使用する。

次の方法ですが、銀色のテープを使用する方法です。
こちらも比較的簡単にできますが、ある程度のコツを覚えるまでは苦労します。
ホームセンター等で売っている銀色のテープを刀身に貼る方法です。
スプレーに比べればリアルに見え、張り替えるのもそこまで時間がかからないのがメリットかと思われます。
しかし、一度銀色のテープを使用してしまうと刀身がとてもベタベタしてしまい、少なからず刀身へのダメージがあります。

1-3.アルミホイルを使用する。

実はアルミホイルでも、竹光の箔を修繕出来るのです。
この方法は刀身に卵白を塗り、アルミホイルを貼り付ける方法です
手順は少しかかりますが、少しコツを覚えればすぐにできるようになります。
元々の竹光もアルミの箔を卵白を使用し貼り付けているそうです。
今回はこの方法を皆さんに紹介していきたいと思います。

2. アルミホイルを使用した修繕方法

今回メインで紹介して行きたいのが、アルミホイルを使用した箔の張り方です。
この方法は刀身へのダメージが無く、時間は少しかかるものの、とてもリアルな刀身に見えるので舞台等の本番ではこの方法で修繕した竹光を使用したいですね。
準備するものも、身近に手に入るものなので誰でも簡単にできますので、これを機会に自分の竹光の修繕に挑戦してみてはいかがでしょうか。

2-1.準備するもの

まず準備するものから紹介して行きます。
・厚手のアルミホイル(厚さが17マイクロメートル程度のもの)
・トンカチ
・カッターの刃
・刷毛
・卵白
・水
・タオル
・目釘と同じ程度の大きさの木材
以上になります。基本的に100円ショップで手に入る物ばかりで、厚手のアルミホイルはホームセンターなどで150円程度で手に入ります。

まずは目釘を抜き、刀身のみの状態にします。
目釘は入れた方向とは逆の方向からとんかちを使用し、目釘と同じ大きさの木材で目釘を抜きます。
基本的には刀を握った時、右手の掌が来る方向から目釘を入れますので左側から目釘を抜けば問題無く抜ける事が多いです。
しかし、たまに逆側から目釘が入っている事もあるので、目釘の大きさなどを見て(目釘の大きさが左右で違う場合は小さい方から目釘を叩いて抜けば問題ありません)目釘を抜く方向を見定めましょう。
また、刀のパーツはまた組み立てる際に迷わないよう、戻す状態が分かるようにしておきましょう。

2-3.ボロボロになったアルミ箔を剥がす

目釘を抜いたら、次にする事は刀身をきれいにする事です。
ボロボロになったアルミ箔を剥がし、刀身をタオルなどでふき取りゴミや汚れが一切ないようにします。
この時にキレイにしておかないとアルミホイルを貼った時に凸凹してしまい、キレイに箔が付かなくなってしまいます。
ちなみに刀身が黒いのは、箔がキレイに付くよう、強度を上げる為に漆で加工されている為です。とてもつるつるしています。

2-4.竹光の刀身にアルミホイルを張る

これまでは準備の段階になります。ここからが少し神経を使う作業に入ります。
まずは刷毛を使い卵白を竹光の片面に塗ります。
この時沢山塗りすぎると、後の作業が大変になりますので、全面に薄くまんべんなく塗るようにしましょう。

卵白を塗ったらアルミホイルを上から乗せます。この時までに刀身程度の幅にアルミホイルを切っておくとこの後の作業がスムーズに進みます。
アルミホイルを乗せたら、タオルでアルミホイルを擦っていきます。この時しっかりと刀身とアルミホイルがくっつくように擦り、余分な卵白を外に押し出します。

タオルで擦る際は、刀身を霧吹き等で水をかけ、最初は優しく擦りある程度密着したら丁寧に強く全体を擦っていきます。
最初の段階でアルミホイルにしわが付く事がありますが、多少のしわならこの擦る工程でアルミホイルが伸び、しわがなくなるので気にしなくて大丈夫です。

目安としては、アルミホイルにしわや浮いている部分が無く、きれいな状態になったら、余分な部分をカッターの刃を使い切り落とします。

この工程が終わったら、卵白を乾かす為数時間おいておきます。

2-5.反対側のアルミホイルの張り方

完全に片面が乾いたら、反対側にもアルミホイルを同じ工程で貼り付けていきます。
貼り付けるまでは先程と同じ工程ですが、余ったアルミホイルをカットするときに注意する事があります。
刀身の刃の部分と棟の部分(反っている部分)ぎりぎりにカットしてしまうと、箔のついていない部分が出来てしまうので、反対側をカットする際は少し余分に残して置き、少し反対側のアルミホイルと重なるようにカットします。

カットする際に、そのままカッターの刃で切ろうとするとかなり大変なので、写真のように縦に切れ込みを入れてからカットすると、楽に切る事が出来ます。

後は同じようにタオルで擦っていき、完全にアルミホイルと刀身が接着するようにします。

2-6.刀を組み立てる

両面にアルミホイルを貼り、乾かしたらあとは刀を組み立てるだけになります。
この時に、しっかりと乾かしておかないと鍔や切羽などを組み立てる時にアルミホイルがずれてしまい、また一からやり直すことになってしまいます。
また、乾燥が甘い状態で組み立ててしまうとアルミホイルが浮いてきてしまい、納刀した時にアルミ箔が剥がれてしまう事があるので、焦らずしっかり乾かしてから組み立てるようにしましょう。

まとめ

今回は竹光の箔の修繕方法といった、少しマニアックな内容になりました。
この方法は乾燥する時間を抜いて、慣れれば30分程度で出来るようになります。
刀身もかなりキレイに見えるので、ご自身の竹光のメンテナンスをしてみてはいかがでしょうか。
最初は慣れないと時間がかかってしまうかもしれませんが、少しでも気が緩むと、すぐにアルミホイルがくしゃくしゃになっていたりするので、焦らず丁寧にやる事が大切です。
自分で手入れをした道具は愛着が付きますし、扱い方にも変化が生まれますので一度、試しにやってみてはいかがでしょうか。

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