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スター・ウォーズと時代劇

殺陣の知識

2015年12月18日に「スター・ウォーズ」シリーズが10年ぶりの新作となる『スター・ウォーズep7/フォースの覚醒』が公開され、話題になりましたね。
今では誰もが知っていると言ってもいい映画「スター・ウォーズ」ですが、実は時代劇と深い関わりがある作品である事はご存知でしょうか?
今回はスター・ウォーズと時代劇の関係を中心に見ていきたいと思います!

目次

1. スター・ウォーズに影響を与えた映画

1-1.隠し砦の三悪人のあらすじ
1-2.殺陣のリアリティ
1-3.スター・ウォーズと隠し砦の三悪人

2. スター・ウォーズと日本

2-1.ダース・ベイダーのモデル
2-2.ダース・ベイダーの名前の由来
2-3.ダース・ベイダーと伊達政宗
2-4.ダース・ベイダーと三船敏郎
2-5.スター・ウォーズのアクション

1. スター・ウォーズに影響を与えた映画

このコラム冒頭に書いたスター・ウォーズは時代劇と深いつながりがあるとお書きしました。
この項目ではスター・ウォーズに影響を与えた時代劇について書いていきたいとおもいます。

スター・ウォーズシリーズは1977年に「スター・ウォーズエピソード4/新たなる希望」が一作目となります。
その後エピソード5、6、1、2、3の順に公開されていき、今年2015年12月に7作目が公開されました。何故1から順番に制作されていないのだろう?と疑問に思いますよね。
その理由は1作目がある程度の成果を成さなければシリーズとして続けることが難しくなってしまうので、冒険活劇として完成度の高い4を最初に持ってきて成功する可能性を少しでも上げる為に順番を4から始めたそうです。

この第1作目スター・ウォーズエピソード4が、なんと黒澤明監督の隠し砦の三悪人に強い影響を受けている作品なのです。

1-1.隠し砦の三悪人のあらすじ

隠し砦の三悪人は2008年に嵐の松本潤が主演でリメイクされ、少し前に話題になりましたね。まずは隠し砦の三悪人のあらすじから紹介したいと思います。

百姓の太平と又七は、褒美を目当てに戦い参加しましたが、何も成果を挙げないまま負けてしまい、捕虜になってしまいます。
捕虜達が起こした暴動に乗じて2人は脱走し、脱走中に自分たちが所属していたお城の埋蔵金を発見しましたがそこは敗軍の隠し砦の近くで侍大将とお姫様の雪姫が身を潜めていたのです。
その後太平と又七は彼ら2人と共に行動をするようになり、知恵を絞りながら同盟国だった早川領をめざすのであった・・・

知恵を絞りながら困難を乗り越えていくという、王道で気軽に観て楽しめる作品となっております。
殺陣のシーンも多く迫力のある作品となっています。

1-2.殺陣のリアリティ

この作品は黒澤映画の中でも娯楽の要素がとても強くアクションシーンがとても多くダイナミックに描かれた娯楽大作となっています。
黒澤監督のリアリティへのこだわりが強く、作中にある乗馬しながらの殺陣シーンもスタントを使わず三船敏郎自身が行っているのです。
このシーンは三船敏郎が騎馬武者を馬に乗り追いかけ切り捨てるというものなのですが、そのとき三船は両手に刀を握り、八双の構えをし、膝で馬を操るという、現在の役者さんでは出来る人はまず居ないようなことをしていたのです。
黒澤監督と三船敏郎の信頼関係があったからこそ出来た事だったのでしょうか。

有名な話ですが、黒澤監督はリアリティの追求が強く「蜘蛛巣城」では本物の矢を三船に向かって放つなど、現在では中々出来ないようなことをしていたそうです。

1-3.スター・ウォーズと隠し砦の三悪人

隠し砦の三悪人の説明をしていましたが、スター・ウォーズとの関係はどこにあるのでしょうか。

ここで紹介するのはスター・ウォーズエピソード4でのお話になりますが、まずは隠し砦の三悪人の登場人物である太平と又七という身長差のある凸凹コンビはスター・ウォーズのC-3POとR2-D2のモデルになったとされています。
スター・ウォーズのレイア姫の男勝りな性格、行動は隠し砦の三悪人の雪姫の影響を受けています。

登場人物のみでなくストーリーの大まかな流れなども似ている個所があり、黒澤映画の影響が強くみられる作品となっています。
隠し砦の三悪人の海外SF版がスター・ウォーズエピソード4といっても過言ではない位、黒澤映画への尊敬が見られるオマージュが沢山あります。
意識して2作品を観てみると面白い発見がたくさんあるかもしれませんね。

2. スター・ウォーズと日本

前の内容ではスター・ウォーズエピソード4と時代劇・黒澤映画の関係性を説明しました。
これだけでも、日本の影響を受けているといえますが作中に出てくる人物や用語にも日本の影響が見られます。

さらに詳しくスター・ウォーズと日本の関係性を観ていきたいと思います。

2-1.ダース・ベイダー

まず、スター・ウォーズシリーズで重要なキャラクターである、ダース・ベイダーですが、このキャラクターも日本の影響を強く受けているキャラクターだったのです。
シリーズ中でもアンチヒーローとしての人気を誇るキャラクターですが、どのような日本との関係性があるのでしょうか。

2-2.ダース・ベイダーの名前の由来

まず名前の由来ですが「ダーク・ファーザー」のもじりであり、ルーカス自身の父親との確執が反映されたキャラクターといわれています。
作中でもエピソード4,5,6で息子であるルークと対峙しており、名前の由来と作中での役割はとても噛み合っているものだったのですね。

2-3.ダース・ベイダーと伊達政宗

ダース・ベイダーと伊達政宗、一見どこにも共通点が無いように思えますが、伊達政宗の存在がなかったらあの黒い姿のダース・ベイダーは存在しなかったかもしれないのです。
ダース・ベイダーの鎧のようなヘルメットとマスクですが、この衣装のモデルが伊達政宗鎧だったのです。

このモデルになった鎧は仙台市博物館所蔵の「黒漆五枚胴具足伊達政宗所用」の兜を参考にしています。

2-4.ダース・ベイダーと三船敏郎

スター・ウォーズシリーズの監督ジョージルーカス監督が黒澤明を尊敬していることは前回のコラムで紹介しました。
その事もあり、ダース・ベイダー役のオファーを三船敏郎に出していたのです。
まだシリーズとして初の作品だった事で知名度も無く、内容もSFということでNGが出されてしまったそうです。
もし、三船敏郎がオファーを承諾していたら兜などは無く素顔で演じてもらう予定があったそうです。

2-5.スター・ウォーズのアクション

スター・ウォーズシリーズの見どころであるジェダイ達が戦うアクションシーンですが、これは日本の時代劇由来のものだったのです。
一度時代劇を見た後にスター・ウォーズを観ていただければ気付かれる方もいるかと思いますが、時代劇の殺陣・チャンバラを参考にスター・ウォーズのアクションシーンは作られていたのです。

ライトセーバーの構え方は殺陣でよく使われる構え方が使われており、アクションの内容も殺陣を参考にフォースやアクロバットが取り入れられたものになっているのです。
ここでもリアルを追求した黒澤映画の影響が出ているのではないでしょうか。

今やYoutubeなどに一般の方がライトセーバーでの戦いを模倣したもの等が沢山アップロードされています。やはり日本の殺陣・チャンバラは万国共通でカッコイイ・やってみたいと思える魅力があるのではないでしょうか。

まとめ

今回はスター・ウォーズと時代劇の関係性を見ていきました。
ここで紹介したもの以外でも様々な箇所で日本文化由来の物が隠れています。

例えば、作中に出てくるヨーダは日本の脚本家依田義賢に由来して名付けられていたり、
「オビ=ワン・ケノービ」は「帯で一番は黒帯」という所から由来されています。黒帯という言葉の発音が英語だと発音しにくいためケノービとなっているそうです。

日本の時代劇をもとに作られた作品がここまでの大人気シリーズとなりました。
全作品を通して人気のアクションシーンは殺陣を参考に作られ、国を問わず様々な人に愛されています。
当たり前なモノになってしまっている自国の文化ですが、一度見つめなおしてみると気付かなかった事や、魅力など知ることができるかもしれませんね。

殺陣教室サムライブでは殺陣体験レッスンを行っておりますので、興味を持たれたら一度お越しいただいてみるのはいかがでしょうか。

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