刀剣の各部位の名称 これだけ知っておけば大丈夫!【刀身】

今回は、刀身の名称について紹介いたします。
刀剣の名称って本を見るとよく紹介されていますけど、名称が多すぎて細かくてよくわからないですよね…。

でも、これを見れば大丈夫!
これだけ知っていれば大丈夫という部位を厳選してわかりやすく紹介いたします!

目次

1.刀身全体編
1-1. 刃(は)
1-2.棟・峰(むね・みね)
1-3.刃区(はまち)・棟区(むねまち)
1-4.茎(なかご)
1-5.鎬(しのぎ)
2.上身(かみ)編
2-1.平地(ひらじ)
2-2.切っ先
3.番外編
3-1.反りについて
3-2.樋(ひ)について

1.刀身全体編


1-1. 刃(は)

日本刀は玉鋼(たまはがね)という鉄で出来ています。
玉鋼は純度の高い鉄で、熱することで折れにくく強靭になり、さらに加工がしやすいという、
日本刀の材料としてうってつけの奇跡的な鉄です。

「たたら製法」という日本古来の製鉄法で作られ、木炭の燃焼熱を使って時間をかけて砂鉄から鉄を取り出します。

刃は、焼き入れをすることで硬い鋼となり、それを研磨(けんま)することで出来ます。
研磨とは、刀を研ぐことですね。

刀匠は簡単な研ぎは自分で行い形を整えますが、本格的な研ぎは研師に任せます。

1-2.棟・峰(むね・みね)

棟は刀身の刃の反対側にあたる、刃のついてない部分です。

時代劇では剣の達人が「峰打ちじゃ、安心いたせ!」と相手を斬らずに叩き、無力化する「峰打ち」をよく目にしますよね。

棟は厚みのある分一見頑丈そうに見えますが、
刀は、当たり所によっては非常にもろく、特に、棟や平(刀の側面)に衝撃を与えるとすぐに折れてしまいます。

峰打ちも、実際にはほとんどしなかったでしょう。
いくら剣の達人とはいえ、峰打ちで戦う余裕はなかったはずです。

1-3.刃区(はまち)・棟区(むねまち)

刀身は、大きく分けると、茎(なかご)と上身(かみ)とに分けられますが、
この茎と上身の境界線を「区」(まち)と呼びます。

この区の刃側を刃区(はまち)、棟側を棟区(むねまち)と言います。

1-4.茎(なかご)

茎は刃より下の、柄に入る部分です。
つまり持つところですね。
ここに銘(めい)が刻まれます。

銘とは、刀匠や所有者の名前、制作年代などが刻まれています。
しかし現存する刀剣の7~8割は無銘であり、銘が刻まれていません。

打刀の場合、刃を上にした時に茎の左側にこの銘があり、ここを差表(さしおもて)と言い、刀の表側ということになります。

茎には目釘穴(めくぎあな)という穴が空いており、ここに目釘という竹で出来た小さな棒を通すことで刀身と柄を固定します。

目釘穴は刀によっては二本目釘と言って2個空いていることもあります。
柄から刀身が飛び出ないようにするための安全対策です。

1-5.鎬(しのぎ)

鎬は、刀身を茎から貫いて走り、刃と棟の境界線を作っている線。
刀を断面で見た場合に、鎬の部分は山形に膨らんでいるのが分かります。
この鎬を作ることで刀を折れにくく強くする効果があります。

刀身を棟側から見た際の厚みのことを「重(かさね)」と言いますが、
これは棟と鎬の部分をそれぞれ計測し、
「鎬が高い」または「鎬が低い」と言ったりします。

細かく分けると、線のことを「鎬筋(しのぎすじ)」、鎬から棟までの平らな部分を「鎬地」と言い、鎬地の幅は刀の年代によって変わり、打刀は鎬が棟側に寄っていて鎬地の幅が狭くなっています。

2.上身(かみ)編

2-1.平地(ひらじ)

刃の先端部分を刃先(はさき)と言いますが、鎬から刃先までの平らな部分を平地(ひらじ)と言います。

玉鋼を鍛錬して出来た刀の地肌の模様を「地鉄」(じがね)と言い、
地鉄が見える平地を見ることは、刀剣を鑑賞する際の大きなポイントとなります。

姿・刃文・地鉄は、その刀剣が作られた時代を見分けたり、刀工の個性を楽しむ見どころです。

2-2.切っ先

切っ先の部位を細かく分けると、
まず横手(よこて)は鎬から刃先までの幅を差します。

小鎬(こしのぎ)は横手から先の部分。
そして、横手・鎬・小鎬の三点が交わる部分を三つ頭(みつがしら)と言い、
研ぎをする際、細心の注意を払って行う箇所だそうです。

小鎬の形を整え、横手線は無理に出すのでは無く自然に出る様にしないと仕上がってからへこんで見えたりしてしまうので、三つ頭は最も繊細な箇所と言えるでしょう。

切っ先とは、横手から先の部分のことを言い、「帽子(ぼうし)」とも呼ばれます。

3.番外編

3.反りについて

棟区と切っ先を結んだ線と棟との間で最も距離がある部分を反りと言います。
反りは日本刀の大きな特徴の一つで、
反りがあることで相手を引き斬る際の反動が少なくなります。

「反りが合わない」という言葉がありますよね。
この言葉は、相手と性格や考え方違いから相性が良くないという意味で使われますが、
この言葉は、刀の反りと鞘の反りが合わないと刀が上手く鞘に収まらないということから来ています。

刀の反りと鞘の反りが大きく違うと、鞘に納める際に刀は途中で止まってしまいます。
反りが合っていて収めることは出来ても、
長年使っていると鞘の中が削れて段々鞘の中にすき間が出来、刀を収めている状態で中で刀身が鞘に当たってカタカタと音が鳴ります。
これを「鞘鳴り」と言い、そのまま鳴らしているとよろしくないので鞘の修繕が必要となります。

ちなみに鞘鳴りにはもう一つ意味があります。

それは、刀を引き抜く際に切っ先が鞘の鯉口部分に当たりシュッと音が鳴ってしまうことを差します。
これは刀を上手く抜けていない証拠であり、鯉口を傷つけてしまいます。
これが鳴ってしまう人は、鳴らないように刀を抜けるようにしたいですね。

3-2.樋(ひ)について

居合道などで刀を振ると、ピュッと高めの大きな音が鳴っていて不思議に思った方も多いのではないかと思いますが、あの音は刀に「樋(ひ)」が彫ってあることによって鳴ります。

樋とは刀身に彫られている溝のことで、この樋による空気抵抗によって発生する音があのピュッという音の正体で「樋鳴り」と呼ばれます。
なぜ、樋を彫るのかですが、これには様々な理由があります。

一番の理由は刀の軽量化です。
樋を彫ることによって刀は1割も軽くなります。
刀は平均1.2㎏ほどなので、120gは軽くなるということですね。

また、樋は別名「血流し」と呼ばれ、人を斬った際に血を樋に伝って流すようにして刀身になるべく血を着けないようにするという説があります。

樋鳴りは、刀を振る時の刃筋(刃の軌道)が真っ直ぐ立っていないと綺麗に鳴らないので、
樋入りの刀を使うことは刃筋を立たせる練習になります。

居合道を嗜む人は、樋鳴りが演武を見栄えのいいものにするので、
樋入りの刀を好んで使う傾向があるようです。
居合道で使う模造刀にはほぼ間違いなく樋が入っています。

樋鳴りの刀にはデメリットもあります。

物を斬って刀身が曲がってしまった際に、
樋が入ってない刀なら研ぎ師に修理に出せば完璧に直るのですが、
樋入りの刀が曲がってしまうと刀身にねじれが生じてしまい、修理に出しても元には戻せなくなるそうです。

刀は、刃筋が通っていることで物を斬ることが出来ます。
刃筋を通さずに物を斬ると簡単に刀が曲がってしまうので、畳表を斬る抜刀道を嗜む方は樋無しの刀を使うようです。

博物館や書籍で名刀と紹介されている刀には樋が入っていない刀が圧倒的に多い印象がありますね。

いかがだったでしょうか。
刀剣の部位がなんとなくわかっていただけたら幸いです。
刀に興味を持ち、刀の部位についても理解を深めると、それが殺陣の動きにも表れると思います。
是非参考にしてみて下さい!

【参考文献】

週刊日本刀  ディアゴスティーニジャパン

ブルータス  株式会社マガジンハウス

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