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歌舞伎初心者知でも歌舞伎を楽しむ方法

日本文化・観光

歌舞伎の歴史や知識に関しては以前のコラムで紹介しました。知識を持って、興味を持っても実際に観に行くとなると不安に思う事も沢山あるかと思います。今回はそんな不安を解消できるように、実際に観に行く前に知っておくと歌舞伎をもっと楽しめる事をお伝え致します。

目次

1.歌舞伎のイメージを変える

1-1.歌舞伎のチケット

1-2.歌舞伎の言葉使いが難しそう

1-3.歌舞伎の上演時間

1-4.歌舞伎を観に行く

2.歌舞伎を観る前に

2-1.事前準備を少しする

2-2.歌舞伎とイヤホンガイド

3.歌舞伎を観る

3-1.歌舞伎と大向こう

3-2.歌舞伎と花道

まとめ

1.歌舞伎のイメージを変える

歌舞伎と言えば「話が難しそう」「チケットが高そう」「上演時間が長そう」などのイメージを持ちやすいかと思われます。

江戸時代から現在も続く歌舞伎ですが、実際のところはどのようになっているのでしょうか。先入観で見に行かないのはとても勿体ないのでこの項目で歌舞伎の不安要素やマイナスイメージを解消していきましょう!

1-1.歌舞伎のチケット

まず歌舞伎のチケットについて見ていきましょう。

現在商業演劇のチケットの値段は席や劇場によって変わりますが大体5000円~10000円程度の値段がします。下北沢等の小劇場と言われる場所でのチケットは2000円~5000円程度の値段で見る事が出来ます。

それでは歌舞伎のチケットはいくら位するのでしょうか。

一番安い席が3等席と呼ばれる3階席のチケットで3000円~4000円程度です。高いイメージがありますが、安い席では小劇場のチケットの値段と同じ位なのです。

高い席は「桟敷(さじき)」と呼ばれる席で客席のサイドにある座敷のボックス席です。この席は20000円程度します。

恐らく歌舞伎が高いというイメージがついているのは席によって値段の幅が広いからだと思います。実際の所は3等席でしたら普通の演劇を観劇するのと値段は変わらないのです。

1-2.歌舞伎の言葉使いが難しそう

歌舞伎は古典芸能で現在の言葉では無く、独特の抑揚でセリフを喋っているイメージがあります。その為眠くなってしまいそう、話が理解でき無さそうといった不安を持ってしまうかもしれません。

しかし、全ての演目がそういう訳ではなく、「時代物」と言われる作品がそうなだけであって「世話物」と呼ばれる作品は現在の私達が観ている時代劇のように楽しめます。

もし、言葉使いが慣れないもので抵抗があるのでしたら「世話物」と呼ばれるジャンルの歌舞伎を観るのはいかがでしょうか。

1-3.歌舞伎の上演時間

実際の所歌舞伎は1公演で4時間程度の公演時間があります。そんなに長いと集中力が続かないという不安があるかもしれませんが、何度も休憩が入りますし、演目も1つの演目をやるのではなく1公演で3~4演目の公演をします。

また歌舞伎を行う劇場にはお土産屋さんや売店が入っており、休憩時間も楽しめるようになっています。

それでも不安、そんなに時間が取れないという場合は「一幕見席」というチケットがあります。このチケットは1演目だけ見るというチケットで、値段も安く40分程度で観劇を終了する事が出来ます。

2.歌舞伎を観る前に

2-1.事前準備を少しする

実際にチケットを購入し、そのまま劇場へ足を運んでもいいのですが、歌舞伎の話をより深く理解するために、物語のあらすじを知っておいた方が楽しめると思います。

また、劇場で販売されているパンフレットには俳優の写真や配役、見所などが細かく書いてありますので、記念に買ってから見るのもいいかもしれませんね。

2-2.歌舞伎とイヤホンガイド

現在歌舞伎には「イヤホンガイド」を有料で借りる事が出来ます。このイヤホンガイドは舞台の進行に合わせて役の説明やなじみの無い言葉の説明などを同時進行で解説してもらえます。また、芝居が始まる前や幕間にも役者や作品の説明をしているので作品の理解が深まるそうです。

イヤホンガイドで解説と聞くと堅苦しい、芝居に集中できなさそうというイメージがありますが、このイヤホンガイドはなんと昭和50年から現在まで続いており、利用者も沢山いるので一度は利用してみるのはいかがでしょうか。

3.歌舞伎を観る

実際に歌舞伎を観に行くと、劇場で観劇すると芝居中に客席から声が飛んだり、客席まで舞台が続いていたりとびっくりする事が多いと思います。

最後の項目では歌舞伎独自の「大向こう」と「花道」に関して説明して行きたいと思います。

3-1.歌舞伎と大向こう

歌舞伎を観ていると、役者が登場した時や退場するとき、見得をきったとき、名シーンのとき等に「○○屋!」「待ってました!」「たっぷり!」等の掛け声がかかります。

初めて聞くとびっくりしてしまいますが、これは「大向こう」と呼ばれるもので歌舞伎には無くてはならないものなのです。

この「大向こう」にはルールはありませんが、よくわからない内はやらない方がいいとされています。

しかし「大向こう」にはいくつかマナーがあり、女性と一階席のお客さんは「大向こう」を掛けるのはマナー違反で、原則舞台が無音の時に掛けるようです。

また、「大向こう」のサークルのような団体もあるそうです。

ちなみに「大向こう」とは客席3階を指す言葉で、「向こう」とは舞台からみた向こう側つまりお客さんの事をいい、それに偉いの意味を持つ「大」をつけ「大向こう」という言葉がうまれました。

3-2.歌舞伎と花道

3-2-1.花道と橋懸かり

客席から見て左側に舞台から客席後方に向かって伸びている廊下のようなものがあります。

これは「花道」と呼ばれここでも役者たちが演技をします。

これは出雲阿国のときから似たようなものがありました。

歌舞伎より古くからある「能」の舞台では花道に似た「橋懸かり」という道が舞台にあり、これはこの世とあの世を繋ぐ橋として演出的に使用されていますが、歌舞伎の「花道」は似て非なるものです。

出雲阿国は能舞台を参考に歌舞伎の舞台を作ったとされ、「花道」が誕生しました。

3-2-2.花道の歴史

今では花道は役者が縁起をする場所となっていますが、当初は違いました。

当初は出雲阿国が演じる舞台に興奮したお客さんが勝手に舞台に上がり一緒に踊る為に作られたものでした。

また、役者のファンがご祝儀やプレゼントを直接演者に渡す場所として「花道」が使用されていました。当時は花道にガードマンのような人がおり、舞台にお客さんが上がっていいタイミングを伝えていたそうです。

また「花」というのはご祝儀を指す言葉でもあるので「花道」と呼ばれるようになったのかもしれませんね。

ちなみに現在ではお客さんは花道に上がるのは禁止となっています。

まとめ

今回は歌舞伎を観るまでに知っていおいた方が良い事をまとめていきました。

「花道」は知っている方は多いかとおもいますが、お客さんが上がっていい場所だったのは初めて知ったのではないのでしょうか。

今では日本の伝統芸能になってしまったのですが、当初は庶民の娯楽であった事がうかがえますね。

出雲阿国は今で言う公演のような場所に舞台を作り、歌舞伎をしていました。お客さんは芝生の上で自前のお弁当やお酒を飲みながら歌舞伎を楽しんでいたそうです。

また「芝居」という言葉は客席が芝だった所から来ており、演劇を指す言葉ではなくそもそもは「客席」を指す言葉だったのです。

高いイメージのある歌舞伎も3階席では高くても4000円ですので決して手の届かない値段ではありませんでした。

歌舞伎の劇場はお土産屋さんや弁当屋さんが沢山あり、休憩時間も楽しめるようになっておりますので興味をもったら一度「一幕見席」で様子を見にいってはいかがでしょうか。

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