これぞ女性版座頭市!松山容子主演「めくらのお市」シリーズが熱い!

講師の渡辺です!久しぶりの時代劇鑑賞映画の投稿です!

今回紹介するのは、松山容子主演「めくらのお市」シリーズです。
計4作製作されたこの映画は、今までソフト化がされず日の目を見なかった映画シリーズですが、現在は動画アプリで鑑賞することが出来ます。

僕がこの映画を観ようと思ったきっかけは殺陣・剣術好きの外国人のインスタグラムに上げられていたお市の殺陣にしびれたからでした。

目次

1.作品情報
1-1.あらすじ
1-2.作品概要
1-3.キャスト
1-4.お市だけじゃない!脇を飾った殺陣の名手達
2.「めくらのお市」の殺陣
2-2.「めくらのお市」殺陣シーンランキング

1.作品情報

1-1.あらすじ(第1作、「めくらのお市物語 真っ赤な流れ鳥」)

めくらのお市は、娘を探して旅をする老人を仕込み杖の居合抜きで助けたことから、自分の境遇を思い出す。
7歳の時に雷の閃光を受け、母親に捨てられたお市は、弥助に拾われ幸せな生活を送っていたが、弥助が伝蔵一味に殺されてしまう。
そんな時、お市は浪人・浮田と出会う。
お市に剣の才能を見た浮田は、お市に居合抜きの修行をつける。

1-2.作品概要

「めくらのお市物語 真っ赤な流れ鳥」は1969年に公開された松竹映画です。
原作は週刊誌に連載されていた棚下照生の漫画「めくらのお市物語」。
今はたくさんありますが、この時代に漫画が原作って珍しい気がしますね。

主演は松山容子。
現在はほとんど女優活動はされていないのですが、1950~70年代にかけて主に時代劇映画で活躍した女優で、殺陣の腕前は抜群で、アクション女優の先駆け的な存在です。

この映画は、
「めくらのお市物語 真っ赤な流れ鳥」69年
「めくらのお市 地獄肌」69年
「めくらのお市 みだれ笠」69年
「めくらのお市 命貰います」70年
の計4作製作されています。
69年に一気に3作も!それはそれほど人気だったから!?それともバックトゥザフューチャーみたいに最初からもう続編作ることが決まっていたのだろうか…。

1作目はお市の生い立ちから剣技を習得し、仇討ちをするところまでが描かれますが、2作目以降は、剣技を使って賞金首の悪党を斬る賞金稼ぎとして旅をし、企みに巻き込まれたり恋をしたり…といった股旅ものになっています。

映画シリーズは今でも高い評価を受けているのですが、ソフト化はされていません。
それの理由としては、題名に「めくら」という表現が入っていることが挙げられると思います。
「めくら」は江戸時代に目の不自由な人に対して使われていた言葉ですが、今では差別用語としていわゆる放送禁止用語の一つに数えられています。

もう一つはあの勝新太郎の有名な「座頭市」と内容があまりに似ているからというのも考えられますが…。

でもこの映画、面白いです!今ではU-NEXTやAmazon Primeの松竹プラスなどで観ることが出来ます。
U-NEXTでは全シリーズなんと星4.5~星5つ!

1-3.キャスト

お市…松山容子

今では女優さんをされていないのでピンとこない方もたくさんいらっしゃると思いますが、レトルトカレーの「ボンカレー」のパッケージモデルを長く務めていたことでも知られています。

56年に松竹ニューフェイスとして入社し、57年にデビュー。
時代劇映画で活躍し、60年にテレビドラマ「天馬天平」で、男装で新撰組と闘う勤皇の姫君・千也姫役が評判になり、この千也姫をモチーフとした「琴姫七変化」が製作されました。
若武者、芸者、くの一…と様々な七変化での殺陣が人気となり、「アクション女優の先駆け」「古今のチャンバラ女優ナンバーワン」とその殺陣の腕前が高く評価されています。

「めくらのお市」シリーズで新境地を開拓するも、原作者と結婚し、それ以降は映画出演はなく時折ドラマなどに出演しているようです。

1-4.お市だけじゃない!脇を飾った殺陣の名手達

浮田重兵衛…長門勇
浪人の浮田は、お市に迫る伝蔵一味を蹴散らし忍びを使う伝蔵をも退避させ、その後お市に剣の修行をつけます。
お市の剣技が完成すると、お祝いに赤い仕込み杖をプレゼントしました。
重兵衛はお市の師匠として劇中に登場しますが、見る限りシリーズでも最強の剣客だと思います。
演じる長門勇はさすがの存在感です。
以前紹介した「三匹の侍」の桜京十郎のような岡山弁の親しみやすいキャラクターで作品に色を添えます。お市に嫁にもらってくれと懇願されたじろぎ、幸せにする自信がないと姿を消したりします。

間崎半兵衛…近衛十四郎
第2作「地獄肌」に登場。
怪我を負ったお市を介抱した百姓村に身を置く剣客として登場します。
村はやくざが支配しており、無理難題を言ってくるやくざに目を光らせます。
近衛十四郎は、古今東西殺陣の上手い役者としては必ず一番に名前が挙がるほどの名手です。
劇中では2回ほど殺陣があります。
どちらも短い殺陣ですが圧倒的な腕前、存在感を見せつけます。

相良兵衛…丹波哲郎第4作「命貰います」に登場。
十手御用を預る身でありながら悪さを働く灘万の用心棒としてお市に立ちはだかりますが、
「ところが斬らん。俺はこの女が気に入った。」
などと身勝手を言う偉そうな凄腕浪人。
相良兵衛を演じたのは丹波哲郎。
「三匹の侍」を始め様々な時代劇でチャンバラを演じてきた大スターもこの映画シリーズに花を添えます。


他にも、目黒祐樹、伊吹吾郎、栗塚旭といった錚々たるチャンバラスター達がこの映画シリーズでその腕前を存分に発揮しました

2.「めくらのお市」の殺陣

2-1.お市の立ち廻り

お市は目が見えない中で耳を研ぎ澄ましながら、敵の殺気を感じ取り仕込み杖を振るいます。
ここまでは勝新太郎の座頭市と似ていますが、お市の特徴は女性の着物であること、仕込み杖の鞘を巧みに使って戦うことが大きいかなと思います。

女性で着物なので、足幅を大きく取ることが出来ません。
そのため足をかなり小刻みに使いながら敵と敵の間をするするとかわしながら斬っていきます。

勝新の座頭市は、目にも止まらない逆手居合の早業で次々と斬っていくイメージですが、お市が大勢を相手にする時は鞘で敵の動きを止めたり押さえたりしながら斬っていく、鞘を上手く利用した殺陣です。

すなわちお市は勝新の座頭市ほど最強ではないのです。
お市は劇中で何度も負けています。
でも、それがいいっ!主人公が最強じゃなくたっていいんだいっ!

お市の殺陣はあまりキメません。
つまり止まりません。ひたすらに動き続け、敵を小刻みにかわしながら「ダーッ」と気合を発しながら立ち廻ります。
動いていない時は、敵の気配を探っている時であり本当に動いていない訳ではありません。
立ち廻りは、止まったら斬られるのです。

お市のその動きは決して華麗ではないのですが、女性でありながら物凄い迫力と躍動感とに溢れていると感じます。
そして演じる松山容子は、この殺陣を目が見えない芝居をしながらやっています…。これが凄い。

松山容子が目の見えない芝居を器用にこなしながらこんな躍動感溢れる殺陣が出来たことがこのシリーズが続いた理由の一つであることは間違いないでしょう。

2-2.「めくらのお市」殺陣シーンランキング

ここで急にですが、僕がこのシリーズで好きな殺陣シーンベスト3をランキングしていってもよろしいでしょうか?では、始めます!

3位 間崎半兵衛(近衛十四郎)VS文蔵一家のやくざ数名「地獄肌」

お市が身を寄せた百姓村では、お上の年貢の取り立てから逃れ、生き延びるために隠していた米を土地のやくざ文蔵一家が横取りして村を荒らします。
この村に身を寄せ「先生」と呼ばれているのが間崎半兵衛です。
間崎半兵衛の不在時に米を横取りされた百姓達が、文蔵一家に掛け合いに行きます。
そこへ遅れて到着した半兵衛が、文蔵一家のやくざ達を、鞘に入ったままの脇差でぶん殴りたたきのめします。
刀なしでこの強さ!いかにも達人って感じです。近衛十四郎のさすがの存在感。
それにしても百姓達、我慢できないからってこんな強い先生がいるのになんで不在時に掛け合いに行っちゃうのよ。
半兵衛に「軽はずみな真似はするなとあれほど言って聞かせたのに、忘れたのかっ!?」と叱りつけられますが、そりゃあ叱られるでしょうに。

2位 榊弦之介(伊吹吾郎)VS宍戸左近(栗塚旭)「みだれ笠」

この二人の殺陣がいいんだぁ…。
弦之介に恋人がいることが分かって居酒屋でお市がやけ酒をしていると、ならず者に絡まれ、それを助けた宍戸左近がお市を手を出そうとし、お市と立ち合いになりそうになったところで弦之介が登場。
弦之介と宍戸左近の立ち合いになります。この二人の殺陣のやり取りがいいんです!実力の大差ない二人が呼吸を読み合いながら攻防する。
速い攻防ではありません。呼吸を読み間違えたら負けというこの緊張感がたまりません。
これぞ男の決闘。
左近のニヒルなキャラクターがかっこいい。
「今日は運がいいや。おもしれえ奴らに出会う日だ。」なんて言ったりします。
演じる栗塚旭は「燃えよ剣」の土方歳三役で有名な方ですが、まだ観てないので、「燃えよ剣」を含めこの人の出演作をチェックしたいと思います。

1位 お市VSやくざ9人「めくらのお市物語 真っ赤な流れ鳥」

堂々の1位はお市初登場シーン!
やくざ9人に追われている老人をお市は「これも何かの縁さ」と言って助けます。
このシーンこそ僕がインスタグラムで痺れた殺陣シーンです。
劇中でも初登場シーンなので、お市がどんな立ち廻りをするのかここで明かされる訳です。
鞘で牽制をしながら敵の位置を確認しているところが細かくていいんだよなぁ。監督も、この殺陣を最初に持ってきて、一気に観客の心を掴もうとしたんだろうな。

以上ランキングでした!
他にもお市の師匠・浮田重兵衛の殺陣とかたくさん書きたいのですが、長くなるのでこの辺にしておきます。
ランキングで紹介したくなるほど、「めくらのお市」シリーズの殺陣は面白いんですっ!
剣客だけでなく、敵の刺客に髪の毛で作った鞭を振るう女(松岡きっこ)とか、忍者とか唐人剣の遣い手とか漫画が原作らしいキャラクターも登場します。

1位のお市VSやくざ9人の立ち廻りが少しでもかっこいいと思えたならば、このシリーズは楽しめると思います。
「めくらのお市」是非ご覧あれ!

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